近年では美容業界でも様々な技術向上が挙げられますが、その1つにリポソーム技術と呼ばれるものがあります。リポソームの他にもナノカプセルなどがこれに該当します。
これらは美容成分を丸く小さなカプセルの中に閉じ込める技術という点ではなんとなくわかっている人が多いかもしれませんが、リポソーム技術により何が生じるのか、なぜ浸透力が上がるのかよくわからないという人も多いでしょう。
人間の体の中に確実に届ける
そもそもリポソームとは直訳すると、脂質の小さな物質などの意味を持ち合わせています。もともとはギリシャ語由来でリポ（lipo）には脂質という意味が、そしてソーム（soma）は生物学用語で生命体などといった体のような意味を持ち合わせています。細胞などの小さな物質を表すときに用いられるものです。
名前からもわかるように、リポソームとはレシチンなどといったリン脂質でできている何層にもなるカプセルの中に有効成分を閉じ込めた上で、人間の体の中に確実に届ける技術のことを指しています。
医療分野の高度な技術
本来であれば医療分野で薬を体内に送るために開発された技術だったのですが、現在では多くの化粧品にも採用され、その効果を発揮しています。
水溶性の有効成分は特に、肌の奥に届きにくい特徴があるため、このような技術を用いる事が必須となります。
なぜ浸透するのか？
リポソームは浸透のためのテクノロジーの1つですが、なぜ浸透するのか、またそれ以外のメリットがあるのかなどを把握することも大切です。その一つに肌の奥までゆっくり有効成分を浸透させられる点が挙げられます。これは、多層構造になっているリポソームの特徴です。
肌の表層はラメラ構造と呼ばれ、水と油が混ざり合うミルフィーユのような状態となっています。これがバリア機能を果たし、体の中に異物が入り込まないような仕組みとなっています。
そのため化粧品などの有効成分が肌の奥まで届きにくい特徴があります。このような場合にカプセル化することによって、美容成分を肌の奥まで届けることができるので、大きなメリットと言えるでしょう。
